声の大きい人は嫌われる

朝から南の島へのチケットを手に入れるために、昨日と同じところに電話をかける。人生とは実にあっけなく、巧妙にできている。昨日のパソコンの前にいた時間を返してほしい。昨日の、今日への苛立ちを返してほしい。
ヨーロピアンになるまであと1週間をきって、僕の心は空を飛ぶことへの不安でいっぱいになる。沖縄2泊3日の旅より、燃油チャージ料のほうが高いのはどうにかしてほしい。人はあればあるだけ大事にするし、何かを持っている人が強いのだ。世界も石油を持っている国がやっぱり強く、僕らはお客として提示された値段を、黙って受け入れるしかない。
第一声でどうした、といってくれる友達が僕にはいて、僕のことを少しでもわかってくれようとする友達が僕にはいる。怖いことなんて何もない。後ろを振り返る僕を、前を向かせてくれる人が僕はいる。それだけで十分だろ?欲張りな僕を、僕が絶望しただけ。ただそれだけ。あればあるほど、僕は欲張りになってしまう。もう十分だろ?