ドイツのこと 28日

前日に、夜も眠れないほどの恐怖に打ちひしがれて、気づいたら朝の5時。ガラガラをガラガラさせながら、充電の切れそうな電話と空を飛ぶことへの不安を抱えて、パスポートを見せる。気づいたら50円おばさんのグループに配属されていて、赤い手袋がなんだか愛らしい。期待していた機内食はもちろんチキンで、ジャッキーチェンはエッフェル塔から飛び降りる始末。10時発の14時着は、東京から静岡に行くよりも遠くて、名古屋に行くよりも近い。なんてことはない、時間は不平等に流れる。
お母さんの心配は後々に生かすことにして、千葉にも走っているというバスが曲がれるかどうかの心配をする。柵もガードレールも、速度規制すらない高速道路をひた走り、僕の目がいまだ出会ったことない景色についていけない。真面目すぎるコメントも、時に逆説となりうることを学んだ。
コーヒーを飲むところだと思っていた店はいつしかホテルになっていて、その隣のホテルに泊まる。頑張って起きてという今までにない激励を受けたので、水とソーセージを求めてぶらり旅。見る建物がいちいちかわいくて、見る子供がいちいちかわいくて、見る女性がいちいち素敵だ。どこの店にもソーセージがあると思っていたのは幻で、たしかにどの店にもスシテンプラマイコがあるわけではない。けどどの店にもビールはある。日本語すらもままならないのに、英語やドイツ語に敵うわけもなく、これから先無言になることを予感する。日本語を話せる外国人には魅力を感じないが、外国語を話せる日本人は素敵だ。初めて食べたソーセージはカレー味で、これから先ジャガイモは欠かせくなる。チップは忘れずに。
ボディーソープとシャンプーが一緒になっていたので頭を洗って流れで体まで到達。たしかに頭皮は肌であるとそんなCMやっていたけども、ごわごわの髪はいただけない。効率的にすることはとてもいいことだけど、利益を追い求めすぎる姿勢はきっと友達をなくす。