お弁当

そんな目で見つめないで。君を抱きしめたくなるから。
そんな声で泣かないで。君を守ってあげたくなるから。
そんな顔をしないで。君を包んであげたくなるから。
何の話かって言ったら、猫です。そう、猫です。外でお弁当を食べてると、後ろからずっと見てくるのです。そう、猫が。エサがほしいのでしょう。そんな顔されたらあげたくなります。だめだめ。こっちだって腹減ってんだ。弱肉強食の時代に、ほかの生き物に施している余裕なんていっさいがっさいない。でもあまりにもかわいすぎる。何度も誘惑に負けそうになりながら、襲ってこないかビビリながら、無事完食。そしたらこの猫、頭がいい。どっかに行ってしまいました。そう、猫です。