一人のために描いた夢

朝が終われば夜が来て、夜が終われば朝が来るように、僕は卒論にとりかかればエヴァンゲリオンを見て、エヴァンゲリオンを見れば卒論をやらなかったことに焦りを覚える。そんな生活が気づけば一ヶ月。もう8月も終わり。
僕の向かう方向がどこであっても、君はそこにいてくれるんだろう。そんな根拠のない甘えにすがって、僕は目をつぶって歩いている。何にも見えない。君の姿だって見えないんだ。見えなくてもいてくれるって、だからそんなのは幻想だって。君にだって歩く道はあって、僕につきあってる暇なんてないよね。人間の視野が180度なのはやっぱり隣にいる君を見るためだって。そう本気で信じられたのに。目をつぶっているからどっちが前かもわからなくて、だからまっすぐに伸びる君の道を僕は平気で横切るから、君は僕を見なくなったんだ。真っ暗な世界に僕は一人。目を開けてもしり込みするぐらいの広さの世界の中で、僕は一人。後ろに道なんてなかった。もちろん前になんて。